保険診療

宮下歯科医院

〒399-0701
長野県塩尻市広丘吉田3136

【診療時間】
午前9:00~午前12:00
午後2:00~午後6:00
(土曜日は午後5:00まで)

【休診日】
木曜・日曜・祝祭日

欠損補綴

様々な原因で歯が失われてしまった場合、かみ合わせの回復やバランスを保つために人工物で補うことが必要です。





















■ブリッジ
抜歯した部位の両隣の歯を削り、被せる冠をつなぎとめて歯に装着する方法です。装着感は違和感なく使えます。但し両隣の歯を削るという犠牲を払います。またお手入れ方法にもよりますが、冠が外れたり境目が虫歯になったりすることもあります。

■局部床義歯
俗に言う“部分入れ歯”です。奥に歯がなくない場合や、多数歯が抜歯となりブリッジの適応とならない場合などに使用されます。ブリッジと違い取り外し式ですので、食事のあとはずしてお手入れすることが必要です。また、比較的大掛かりな装置ですので最初は違和感が強く、慣れが必要です。歯をほとんど削る必要がありませんが、バネのかかっている歯がいたみやすかったり、むし歯になりやすかったりするので注意が必要です。

■全部床義歯
いわゆる総入れ歯です。歯がまったくないため、顎の上に義歯をのせて使います。年々顎がやせて義歯が合わなくなったり、すれて痛くなったりすることがあるので調整が必要です。

あとは保険適応外の方法としてインプラントが考えられます。(インプラントの項参照

歯とその周りの構造

エナメル質
歯冠の表面を覆っている硬い組織です。ほうろう質とも言います。
象牙質
エナメル質に下にある組織です。エナメル質がう蝕になって象牙質に達するとう蝕が広がる特性を持っています。
歯髄
歯の神経です。神経は顎の骨の中から枝分かれしてそれぞれの歯根の先端から歯の中に入っています。う蝕が歯髄に達すると激痛を伴います。
セメント質
歯根の周りに一層ある組織です。
歯根膜
歯と顎の骨(歯槽骨)をつなぐ組織です。噛んだ感触などもここで感じ取ります。
歯槽骨
歯が入っている顎の骨です。下顎の骨は上顎の骨より硬い特性があります。
歯肉
俗に言う歯ぐきです。通常は歯にぴったりとくっついています。
歯肉溝
歯と歯肉によってできる溝です。健康な場合歯肉溝の深さは1~2mmです。歯周病によりこの溝が深くなると歯周ポケットと呼びます。

歯周治療

現在成人の8割以上の方が歯周病に罹患しているといわれています。
歯周病の一番怖いところは自覚症状(特に痛みとして)が出にくいところです。知らず知らずのうちに重大な問題が引き起こされていることが多いのです。

歯周病の原因は口の中にいる歯周病菌の感染です。さまざまな要因により歯の表面や歯と歯肉の境目にプラーク(バイオフィルム)が形成されると、その毒素により歯周組織である歯肉に炎症が生じ、歯周ポケットが形成されます。さらにはその下にあるセメント質、歯根膜、歯槽骨に炎症が波及して破壊されていく恐ろしい病気です。

歯周病の治療はこのプラークをコントロール(除去)することに尽きます。
プラークは細菌の塊ですが、表面にバリアがあるので抗菌薬などは効きにくいといわれています。ですから機械的に除去する方法(ブラッシング)が最も効果的なのです。食後のブラッシングにより口腔内をできるだけ清潔に保ち、歯周病菌の繁殖を抑えるようにします。

私たちの治療の目標は患者さんのブラッシングをし易い環境を作ることにあります。ですから患者さんにも治療に参加していただくことが非常に重要です。自分の口腔内は自分で治し、自分で管理していくという強い意志が必要なのです。それを達成するための努力を私たちは惜しみません。

歯周病の症状


  • 歯ブラシで出血する
  • 朝起きると口の中がネバネバする
  • 歯茎がはれている
  • 歯がぐらぐらする、噛みにくい
  • 歯と歯の間に物がよくはさまる
  • 歯が以前より伸びた気がする
  • 歯茎を押すと膿が出る

心当たりがある場合歯周病にかかっている可能性があります。早めに健診をお受けになることをお勧めします。

う蝕(むし歯)治療

むし歯のことを専門的に“う蝕”といいます。
英語ではdental caries(カリエス)といいます。
このカリエスの頭文字のCをとって、C1、C2などと表します。

う蝕症は歯周病と並んで口腔内の2大疾患といわれます。う蝕は口腔内に存在するミュータンス菌などが出す酸によって歯の表面が溶ける病気です。

C1
う蝕がエナメル質にとどまっているものを指します。歯の表面が白くなっている程度の初期う蝕は経過観察することもあります。 比較的小さいう蝕はコンポジットレジンで修復することが多いようです。
C2
う蝕が象牙質に及んでいるものをさします。う蝕はエナメル質を越えて象牙質に達すると急に広がる特性を持っています。入り口は小さいのに中でかなり大きくなっていることもあるので早期発見、早期治療が必要です。通常痛みは感じませんが、う蝕が進んで歯髄(歯の神経)に近づくと冷たいものがしみたり、甘いものがしみたりします。 奥歯の広範囲に及ぶう蝕や隣の歯との間のう蝕は、型を取ってインレー修復をするのが一般的です。
C3
う蝕が歯髄に達している状態です。通常痛みを伴うことが多くなります。冷たいものが長時間しみたり、熱いものがしみたり、噛むと痛かったり、あるいは何もしなくてもズキズキと痛かったりします。神経を取って根の治療を行います。う蝕の大きさにもよりますが、最終的にかぶせることが多くなります。
C4
歯の根しか残っていない(残根)状態です。抜歯の適応となります。 その状況によっては根管治療をして保存できる場合もありますが、色々な処置が必要となります。

う蝕の治療はまず感染した歯質をすべて取りきることから始めます。理論的にう蝕だけを取るなら歯を削っても痛くはありませんが、う蝕の取り残しを防ぐため予防的に健全な歯質をほんの少し削るため痛みを感じます。そのため当院ではこの痛みをなくすためほとんどの場合麻酔注射を施し無痛治療を心がけています。また、う蝕の取り残し予防に、う蝕検知液というう蝕のみが染まる薬剤を使っております。
う蝕を取り終えたら、その穴の大きさや場所によって修復方法を決定し、それに応じた窩洞形成を行います。最近は、極力健全な歯質を削らないMI(ミニマルインターベンション=最小限の介入)というコンセプトが注目されています。

CR(コンポジットレジン)修復

前歯や臼歯の比較的小さいう蝕を削って歯に似た色のプラスチックを詰める治療です。以前のものより耐磨耗性は向上してきていますが、臼歯の大きなう蝕には強度的に適応できません。基本的に1回の処置で終了できます。

インレー修復

臼歯の歯と歯の間のう蝕治療に多用されます。歯を削って歯型を採り、次回に金属(保険では金銀パラジウム合金)をはめ込む治療です。歯と歯の接触状態や噛み合わせなど口腔外で細かく調整できます。金属が硬いと噛みあわせに不具合が出たり、金属との境目の歯が欠けたりするトラブルがあります。歯との馴染み、適合性を考えるとゴールド(保険適応外)インレーが優れています。

ハイブリッドインレー修復(保険適応外)

口を開けたときに金属色が気になる部位のインレー修復に適応します。ハイブリッド(混成)はセラミックとプラスチックの特性を兼ね備えた比較的新しい材料です。歯にはレジン系のセメントで強固に接着することにより一体化し、強度が増します。